● 皆様の前で『歌』を歌い始めてから30年が過ぎました。 その間に、本当に沢山の方から『愛』を頂き、抱き、抱かれながら、 共に音楽を創り上げて来たように思います。 数限りない皆様からの『想い』がなければ、 私が今日まで歌い続けることは出来なかったでしょう。 このアルバムは、そのような皆様へのお礼、『アンコール』として選曲しました。 心からの『感謝』を込めて。
——福井敬
● 福井敬といえば、いまや日本におけるクラシック音楽界の大黒柱といってよいだろう。1992年にオペラ《ラ・ボエーム》のロドルフォ役でデビュー以来、二期会やびわ湖ホールや新国立劇場のさまざまなオペラで主役を務め、《第九》のソリストやNHKニューイヤーオペラコンサートでは年末年始の華やぎを彩る、実に魅力的なテノール歌手である。豊かな響きの美声、安定した音程、音楽性、表現力、舞台上の演技力、実直かつ朗らかな人柄、音楽への情熱、さまざまな美点が挙げられる。けれども、福井さんの出演するリサイタルやオペラ公演には遠方からでも足を運びたくなり、新しいCDを楽しみに待つ、そんな気持ちにさせられるのは、もっとまだ他にも「なにか」があるからだろう。
————宮谷 尚実(国立音楽大学教授)
福井 敬(テノール) 谷池重紬子(ピアノ) プロフィール>> 録音:2023年8月 相模湖交流センター多目的ホール DCJA-21050 ¥3,300(税抜き価格 ¥3,000)
福井敬がニューアルバム「愛を抱いて」に寄せる思いを語ってくれました。動画はこちら