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コンサートによくあしを運ぶクラシック音楽の愛好家のかたであれば、著名なコンクールに優勝し華々しくデビューを飾った音楽家のコンサートで、技巧的には完璧であっても音楽する歓びを感じることのできない演奏ぶりにがっかりさせられることが往々にしてあるはずです。またCD録音も多数ある世界的な演奏家のライヴであっても、大きく期待を裏切る無味乾燥な演奏に出会うことも少なくありません。
またその一方で、小さなホールで少人数の聴衆を前に行なわれる無名の若い音楽家の演奏から、「音楽をする感動」に溢れた素晴らしい音楽を聴く機会にも、何度となく出会ってきたことでしょう。
音楽学生やアマチュア音楽家の真摯な演奏、その音楽に込めた情熱は、ときとして定評ある名演奏家のCDを聴く感動を、大きく凌ぐことがあります。たしかに技巧的には「荒削り」かもしれません。けれど、ひとつの旋律や和音に託す気持ち、自分の感じたものを表現し、聴きてに伝えることの出来る歓びこそ、音楽の原点に他ならないでしょう。もしかすると音楽教育、コンクール、そして「プロフェッショナル」といわれる音楽家になる道のりは、「こころ」を置き去りにし、「音楽する歓び」から遠ざかっていくプロセスなのかもしれません。
私たちは「音楽」のもつ根源的な生命力を信じます。「技巧」的にはまだまだ未熟であっても、心こもる音楽は、聴きてに伝わってゆきます。そんな音楽を私たちは聴きたい。そんな音楽をCDに録音し、ひとりでも多くの「音楽を愛する人々」に伝えたい、と考えました。
独奏・室内楽・声楽・アンサンブルからオーケストラに至るまで、クラシックであれば演奏形態やジャンルを問いません。まずはあなたの、表現したい「音楽」を私たちに聴かせてください。あなたにしか表現できない、情熱溢れた音楽と出会える日を、楽しみにしています。
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