またまた・マザー・グース 歌った人たち
1)イヴェット・ジロー
シャンソン歌手。1946年「あじさい娘」が大ヒット。'55年初来日。以後日本でも多くのファンを持ち、彼女の姓にあやかる洋菓子チェーンも。CD最年長(81歳)が歌う「マ・メール・ロワ」(仏語でマザー・グースの意)の世界。(仙)
2)西田ひかる
1987年にデビュー。アイドルタレントから大人の歌手・女優へと成長を続けている。コンサート・ツアー、TVドラマ出演と多忙。アメリカ生活で鍛えられた英語力を、今回のマザー・グースでも生かしてくれた。(和)
3)植木等
生家はお寺。僧侶の修行のかたわら、音楽好きで音楽の修行も。1957年にハナ肇をリーダーとするクレージーキャッツに参加。ステージ、TV、映画で爆発的人気を得て今日に至る。渋い脇役もこなしている。(和)
4)ROLLY
フィンガーファイブで音楽に目覚め、近田春夫でエレキに覚醒。'82年「すかんち」結成。現在は「The ROCKROLLY」でカルト的エンタテイナーとして活躍。珍楽器コレクターでも知られ、今回はEボウ・ギター披露。(仙)
5)西田敏行
日本演劇アカデミー、青年座養成所出身の演技派。舞台では「写楽考」、映画では「敦煌」ほかの受賞。寅さん亡きあとの日本映画界期待のヒーローでもある。歌も得意で、アルバムあり「屋根の上のバイオリン弾き」あり。(仙)
6)宇崎竜童
1946年京都生まれ。'73年DTBWB結成。「スモーキングブギ」などヒットさせた後「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」で時代と寝る。以後コンスタントなヒット作曲家&歌手として、役者としてもジーパンバッチリの不老青年。(櫻)
7)橋爪功
1941年大阪生まれ。文学座・劇団雲を経て演劇集団「円」設立参加。野田芝居・自由劇場などにも客演。「マルサの女」「居酒屋ゆうれい」などの映画や各局TVドラマのレギュラーそしてCMと活動の幅広く歌も達者な人気俳優。(櫻)
8)中村美律子
大阪生まれB型獅子座。86年「恋の肥後つばき/夜の千日前」でデビュー89年「河内おとこ節/なさけ川」大ヒット92年有線放送大賞レコード大賞ひばり賞獲って紅白出場95年新歌舞伎座座長公演と演歌道ひとすじ登り続ける人情歌手。(櫻)
9)山本謙司
美声と人柄にじみ出るトークで日本のみならず世界を歩きまわる民謡歌手。'68年民謡全国大会で優勝した時の歌がホーハイ節。その地元西津軽の生まれだから唄がカラダに棲みこんでいる。南部民謡も得意とし歌謡曲にも意欲。(櫻)
10)柴田智子
手塚治虫の家に押しかけた小学時代から、思い立ったら行動するバイタリティでニューヨークへ。アートの「今」を吸収し、バロックから現代音楽、ビートルズ…と、ジャンルにとらわれないニューウエイヴ・ソプラノ。(仙)
11)サンディー
「久保田麻琴と夕焼け楽団」から「サンディー&サンセッツ」そしてソロへの軌跡は、アジア&ポリネシア音楽のルーツ探しの旅に似て。今回はカーエケエケなど現地の楽器を加え、ハワイアン・テイストの1曲に。(仙)
12)尾藤イサオ
1943年東京下町生まれ10歳からジャグラー習い曲芸団の米国興業に参加ショウビジネスの世界に憧れエンタテイナー志向65年「悲しき願い」大ヒットでスターに。その当時の体型保ちつつ舞台映画TVに大活躍のプロ中のプロ受賞多数。(櫻)
13)夏木マリ
1973年「絹の靴下」のシングルヒットで世に出たのち、歌手だけでなく女優としてTVに映画に舞台にと活動を広げ、ミュージカルも多いが、ストレートプレイの演技も認められてゴールデンアロー賞ほか受賞も多数。(和)
14)上條恒彦
1962年から歌手活動。71年の「出発の歌」は世界歌謡祭グランプリを獲得。豊かな声量、確かな表現力を持つ歌手として、ミュージカルでは重要な性格俳優として知られる。八ケ岳山麓の自然から発信を始めて十年になる。(和)
15)深津絵里
ジャン・コクトーもディズニー映画も好きという若手女優。15歳の時「1999年の夏休み」で映画デビュー。「満月のくちづけ」「ハル」で各種映画賞受賞の実力派でもある。TVドラマ、舞台、CF、歌でも活躍中。(和)
16)石丸幹二
'90年、東京芸大在学中に《四季》オーディション合格。直ちに「オペラ座の怪人」ラウル役に異例の大抜擢。その後も「キャッツ」「ドリーミング」「美女と野獣」と、今や《四季》の看板俳優。コーヒーのCMでもおなじみ。(仙)
17)堺正章
1946年東京生まれ62年GSザ・スパイダースのボーカルとして「夕陽が泣いている」でヒット。GS解散後は父君堺駿二の血を引く軽妙な演技派としてTV映画舞台に大活躍96年文部大臣がこのベテランに新人賞を贈り話題に。(櫻)
18)森公美子
1980年から81年、ミラノにオペラ留学。最年少の21歳で二期会研究生となり、現在二期会会員。本業であるオペラはもちろん、何でも歌いこなす歌唱力と魅力的なキャラクターが買われて、ミュージカルでも大活躍だ。(和)
19)加藤登紀子
1943年ハルピン生まれ東大卒。シャンソンコンクール優勝で歌手の道へ。「ひとり寝の子守唄」「知床旅情」「百万本のバラ」などヒット数多。独特の甘い声のウラに自前の思想と強力な社会訴求力秘めた日本に稀なカリスマ歌手。(櫻)
20)新小岩児童合唱団
市川児童合唱団、勝田台少年少女合唱団とともに飯田満さんが編曲・指揮しながら育ててきたレパートリーの広い楽しい合唱団。'95年の20周年記念コンサートでは合同でショスタコヴィッチの「森の歌」を上演。ピアノは湯田聡子さん。(櫻)
21)桃井かおり
少女時代に英国ロイヤル・バレエ・アカデミーに留学。文学座養成所を経て映画デビュー。ユニークな感性と確かな演技で多くの賞を得る。エッセイストとしての著書もあり、歌手としてアルバムも15枚ある。(和)
22)米良美一
日本では珍しいカウンターテナー(ファルセットによって女性の声域を出す)。洗足学園大学を首席で卒業、クラシック、現代音楽、日本歌曲に取り組んでいる。現在はオランダ国費留学生としてアムステルダムに滞在。(和)
23)松崎しげる
1949年東京生まれ日大芸術学部卒。独特のハスキーヴォイスで'77年「愛のメモリー」が日本レコタイ歌唱賞。そのバタ臭さでマジョルカ音楽祭など外国での受賞も多い。TVドラマ映画舞台と歌を離れても活躍中の芸達者。(櫻)
24)涼風真世
1981年宝塚音楽学校を卒業、93年に退団するまで月組のスタアとして活躍。その後は舞台ミュージカルに、ディナーショウに、CFにと幅を広げ、96年の大河ドラマ「秀吉」では五右衛門の女房としてお茶の間に知られた。(和)
25)小堺一機
素人コメディアンのチャンピオンで自信をつけ、勝アカデミーでは研究生として演技を勉強。1980年デビュー以来、数々の新人賞を受けた。TV番組での活躍のほかに、自らのステージでは脚本、演出も手がける勉強家。(和)
26)あがた森魚
「らしくない曲を」との御所望。録音には背広にネクタイ姿…。「あがたワールド」とのこのギャップこそ、あの独得の美が生まれる磁場なのか。鈴木慶一らと出会い、1971年「赤色エレジー」でデビュー。俳優他活動は多岐。(仙)
27)イルカ
東京生まれ。女子美大在学中からフォーク活動。'75「なごり雪」大ヒットで有名人に。'78長男“冬馬”君誕生。「みんな地球の細胞同志」というメッセージ発信しつつ、エネルギッシュにユーモラスに全国ツアーをこなし絵本を作りエッセイを書き。(櫻)
28)薬師丸ひろ子
13歳の時、角川映画「野性の証明」でスクリーン・デビュー。以来、年齢に応じた役柄で映画女優としても成長を続けている。「セーラー服と機関銃」の主題歌からは、歌手としての評価も高く、アルバムも多数。(和)
29)尾崎亜美
京都生まれのB型魚座。1976年「瞑想」でデビューした“ガール・ポップ”の元祖。杏里の「オリビアを聴きながら」をはじめ松田聖子高橋真梨子観月ありさなどに提供した作品がことごとくヒット。97年2月自ら歌って「奇蹟」をリリース。(櫻)
30)東京Qチャンネル
日大芸術学部を卒業してCMシンガーになった須藤まゆみと、中退して作曲家になった割田康彦によるポップ・デュオ・グループ。TV主題歌等で活躍。今回は須藤がクラリネットにも初挑戦、かわいらしい色どりを添えてくれた。(仙)
31)八神純子
ヤマハポプコンなどで活躍後「みずいろの雨」の大ヒットで世に出た実力派シンガーソングライター。プロデューサーJ.スタンレー氏と結婚2児の母LA-TYOを定期的に往復しつつエッセイ、ライヴ、アルバム作りと意欲的に。(櫻)
32)バースディスーツ
ソロ活動を行なっていた北海道出身の二人、佐木伸誘と松崎真人が出会ってユニットを結成。訳せば「はだか」の意。1993年、映画「国会へ行こう」主題歌でCDデビュー。今回は佐木のヴォーカルに松崎がハーモニー添えて。(仙)
33)鹿賀丈史
劇団四季で数々のミュージカルをこなし、フリーになってからは「レ・ミゼラブル」で長期の舞台公演。映画は「麻雀放浪記」、「木村家の人々」など。TVはドラマでの活躍のほかに、異色の「料理の鉄人」でも知られる。(和)
34)EPO
'80年デビュー。現代音楽やジャズとのジョイント、妊婦や病人への癒し、「流し」「大道芸」の実践…。「優しさ」を原点に、「歌が人に何をできるか」を模索し続ける。虫や鳥、森霊の呼びかわしを加えて、ミクロコスモス誕生。(仙)
35)坂上二郎
1954年、内海突破氏に弟子入り、57年にコメディアン、司会者としてデビュー。66年に萩本欽一氏と「コント55号」を結成、爆発的な人気を得る。若い頃NHKのど自慢で優勝した経験もあり、歌もまた得意種目の一つ。(和)
36)小林亜星
1932年東京生まれ慶大卒。紹介するまでもない。ワンサカ娘・イエイエ・この木なんの木・どこまでも行こう等質量ともにCMソング第一人者。そして役者寺内貫太郎。その巨体の怒りは今、ジャスラックの黒い霧に向け。(櫻)
37)早見優
1982年にデビュー。歌手のほか、女優として映画、舞台でも活躍。「オズの魔法使い」などミュージカルの出演も多い。ラジオ、テレビ番組では得意な英語力を生かした講座を持ち、先生としての人気も高い。(和)
38)山本リンダ
福岡生まれ魚座。'62年少女ファッションモデルでデビュー。'66年「こまっちゃうな」ミリオンセラー。'70年代「どうにもとまらない」「狙いうち」などヒット連発レコード大賞など受賞多数。'82年以降その恵まれた肢態でレビュー公演を続ける。(櫻)
39)団しん也
コメディアンではなく、ヴォードヴィリアンという肩書きがふさわしい。物真似芸で知られているが、もともとは歌手をこころざした人で、ジャズヴォーカルのアルバムもある。このCDでは七色の声で歌ってくれた。(和)
40)小林薫
1971年から80年まで状況劇場に在籍。82年の大河ドラマ「峠の群像」で注目を集め、多くのTVドラマに出演する。映画も数々の演技賞を得た「それから」のほか、「四万十川」「乳房」「怖がる人々」など多数。(和)
41)ブラインド・レモン・ブラザース
父あきみつ39歳息子たろう6歳。父のギターバックに息子が歌い天才的ブルースハープを吹く。父子もろとも骨のズイまでブルース人間。「大人はずるいよ」はそんな暮しぶりから生まれた歌。筆名は父子一身同体の千賀明太郎。(櫻)
42)川中美幸
1977年デビュー。'80年「ふたり酒」がミリオン・セラーとなり、スターに。歌・芝居・ラジオDJと大活躍。芸能生活20周年を迎える。随所にコブシを利かせたマザー・グースに挑戦してくれた。最新作は「麗人麗歌」。(仙)
43)山下久美子
「赤道小町ドキッ」の大ヒットで広く知られるが、元祖学園祭の女王から、カリスマ的女性ロック・ヴォーカリストに至る軌跡は、そのまま1980~90年代にかけての日本ポップ史と重なる。とはいえ素顔はステキな奥様でした。(仙)
44)木の実ナナ
父・トランペッター、母・ダンサーという血統書つきショーガール。ポップシンガーからミュージカル女優へと成長ののち、シェイクスピアもこなせる女優へと幅を広げる。TVドラマで、お茶の間のファンも多い。(和)
45)KAZMI
'90年、女性二人で「ネロリーズ」結成。イギリスBBCに出演、ロンドン、ニューヨーク、台北など海外ライヴも多いが、そんな凄いキャリアを感じさせない明るい元気少女。助走をつけて歌い出し、キャラクター変えて二重唱。(仙)
46)永六輔
三木鶏郎「冗談音楽」への投稿少年から放送作家に。「上を向いて歩こう」「いい湯だな」ほかヒットソングの作詞家であり、放送タレントであり、時々は歌手でもある。ベストセラー「大往生」の著者でもあった。(和)
47)渡辺えり子
1978年「劇団3○○(さんじゅうまる)」を結成。主宰者、座付作者、演出家、女優の四役をこなしている。他の劇団のための戯曲書きおろし、女優として舞台、映画、TVの単独出演のほか、エッセイも執筆で多忙。(和)
48)林望
'49年東京生まれ慶大国文卒。書誌学というネクラシックな専攻分野の学者にあるまじき才気煥発の筆で「イギリスはおいしい」を手はじめに数々のエッセイで次々受賞。他にも小説・オノマトペ・イラスト・料理・作詞歌唱etc。(櫻)
49)中尾ミエ
15歳でナベプロに押しかけ入社翌年「可愛いベイビー」でヒットデビュー飾って何年? いま円熟の季節。ズバリの物言いが魅力の姐御肌キャラクターで芸能界の一角にデンと。テニスで心身のシェイプアップもオサオサ怠りなく。(櫻)
50)香田晋
「この歌は自分のことです。」キチっとワイシャツ&ネクタイで歌ったOKテイクを楷書体とすれば、録音終えて歌ってくれたそれは草書体の絶品で、こちらを収録。純情一途、根っからの独身演歌好青年に、春は近いか。(仙)
51)松井常松
1960年群馬生まれ。時代を画したロックグループBOØWYのベーシスト。解散後いろんな歌手のサポートを経てソロ活動へ。「よろこびのうた」などサウンドプロデューサー的にアルバム制作。'96年ソロアルバム「HEAVEN」。(櫻)
52)ソロンゴ
'92年東京で行なわれた《世界こども音楽祭》。病床の母を案じた自作曲「おかあさん、いつまでも生きていてね」でグランプリに。NHK《みんなのうた》では「わたしのふるさと」が流れる。モンゴルの音楽学校に通う16歳。(仙)
53)小沢昭一
小沢昭一的ココロの持主ツマリ典型的昭和ヒトケタ小父さん演じつつ「唐来参和」など役者本道歩き続け旺盛なスケベ的好奇心とその結果のウンチク傾けた名盤「日本の放浪芸」は貴重な文化遺産そんじょそこらの学者は脱帽すべし。(櫻)
54)今陽子(ピンキー)とキラーズ
今陽子は15歳で上京、いずみたく氏に師事。69年ピンキーとキラーズの「恋の季節」が大ヒット。3年間の超多忙の日々ののち、ソロ活動に。このアルバムでは久しぶりにキラーズのメンバーとレコーディングをした。(和)
55)川平慈英
カビラ・ジェイと読む。テキサス州立大で奨学金を獲得したほどサッカーを特技とし、TVのスポーツコーナーでも知られるが、フランチャイズは舞台。数々のミュージカルのほか、ストレートプレイもこなす。 (和)
56)サーカス
叶高・央介・正子の三姉弟と央介と結婚した原順子のファミリーコーラス。'78年「Mr サマータイム」でデビュー。以来数多くのアルバム、コンサート、ミュージカルと幅広く活動。'95以降ヴォーカル重視のピアノ一挺コンサートを志向。(櫻)
57)宮路オサム
'46年茨城生まれ。さまざまなバンドでドラムを叩きながら歌の道へ。'74年ご存知「なみだの操」の大ヒットでレコード大賞など各賞総ナメ紅白出場果してからはスターの道を。独特のお色気と節まわし。近作「縄のれん」「恋おんな」。(櫻)
58)東星児童合唱団
ヨゼフ・フロジャク神父の医療福祉事業に源を持つカソリック・ミッションスクール。'76年発足の合唱団は小学・中学・高校生の混成でミサ曲から一般歌曲までレパートリーは広く、誠実な校風を反映して歌声は実に聖らかで美しい。(櫻)
59)グラシエラ・スサーナ
アルゼンチン、ブエノス・アイレス生まれの国際的歌手。「サバの女王」がヒット。1971年の初来日以来、何度も日本を訪れ、子どもにもハナコ、タローと名づけたほどの親日家。日本語でのレコーディングも多い。(和)
60)コシミハル
クリスタルのように澄んだ声と鋭い感性で、舞台演出、歌、演奏から映画、広告、舞台のための音楽、編曲等で活躍。'83年のアルバム「テュテュ」以来、細野晴臣との縁も深く、'96年にはユニット「swing slow」を結成。(仙)
60)高野寛
'87年、高橋幸宏、鈴木慶一に認められ、彼らのユニットにギタリストとして参加。翌年ソロ・デビュー。以来、坂本龍一、矢野顕子、喜納昌吉…への詞曲提供など作家活動も。やさしい人柄はNHK教育TV「ソリトン」で。(仙)
CD初出時点(1997)の略歴です。 (和):和田誠記 (櫻):櫻井順記 (仙):仙波知司記