オフ・オフ・マザー・グース 歌った人たち

1)佐藤しのぶ

国立音楽大学とオペラ研修所を卒業、1984年「メリー・ウィドウ」「椿姫」の主役でデビューを飾る。以後日本が誇るプリマドンナとして世界で活躍。今回の歌は「ばあさん」でなく「おばあさん」と歌いたかったと言うお人柄。(和)

2)おおたか静流

CMなど要求の多い仕事を数こなすうちあらゆる発声技法コトバ扱いウタのイノチを身につけた国際ヴォイスパフォーマー。90年の「花」のヒットは現代人すべて心のビョーキであり彼女の声こそそれを癒すセラピーである証明。(櫻)

3)桐朋学園 子供のための音楽教室

世界のオザワを育てた桐朋で勉強中の小学校2年生。針村真未・飯岡由梨・市丸梓・箕輪真美・栗本佳那・宮野裕子・野辺さやか・崎谷直人・土佐勇介・山内紀久子。ノビノビイキイキ21世紀へ羽ばたく音楽家の卵たち。(櫻)

4)岸田今日子

文学座、劇団雲を経て、演劇集団円に設立参加。初舞台「キティ颱風」以下多くの舞台、「砂の女」ほか多くの映画、「男嫌い」ほか多くのTVに出演。歌のレコードもあり、エッセイ、創作、翻訳など著書もいっぱい。(和)

5)吉田日出子

俳優座養成所、文学座を経て、串田和美らと自由劇場を設立。小劇場のヒロインとして活躍を続ける。ヒット戯曲「上海バンスキング」の歌姫役をはじめ、歌手としてもユニークな存在だ。映画、TVの出演も多数。(和)

6)柳葉敏郎

18歳で「スタ誕」に出演。役者になろうと上京。劇団で修業中にパフォーマンス集団「一世風靡」と出会い、参加。さらに「欽ドン!」出演で人気上昇。現在、映画、TVドラマ、CF出演、アルバム制作と多忙の毎日。(和)

7)白石冬美

日劇ダンシングチームを経て、声優、ラジオのパーソナリティに。愛称チャコ。無類の猫好きとして知られ、「十二人の猫たち」「猫のしっぽ」など、猫に関する著書もある。このアルバムでも猫の歌を担当した。(和)

8)森山良子

高校時代からフォークシンガーとして活躍。その後、音楽のジャンルを越え、幅広くレコード制作、コンサート活動を続けている。今回は自称「歌が上手に聴こえる魔法のヘッドフォン」持参で歌いに来てくれました。(和)

9)甲斐よしひろ

1974年フォークコンテスト優勝「甲斐バンド」結成、「バス通り」でデビュー。79年「HERO/ヒーローになる時それは今」がチャート1位のヒット。86年バンド解散、ソロ歌手として幅広く活動中。近作に「風吹く街角」など。(櫻)

10)的場愛美

94年の全国童謡歌唱コンクール子供部門で、「たき火」を歌って優勝した小学校4年生。太平洋に面した千葉県千倉町に育ち、素もぐりが得意という恵まれた自然環境がそのまま素直・健康・溌剌の歌声に滲み出している。(櫻)

11)平野レミ

シャンソン歌手・料理研究家・エッセイスト・和田家の主婦とめまぐるしいマルチタレントレディ。日本には稀な天性の歌い手である自覚があんまりないらしくてコマる。グルメの台所より歌のステージにもっと立って下さい。(櫻)

12)高泉淳子

早稲田大学卒業後、「遊◉機械/全自動シアター」を結成。自ら座付作者と出演者を兼ねる。役柄は少女から老人まで幅広く、とりわけ少年役の人気が高いようだ。ほかにアルバム制作、エッセイ執筆などでも活躍中。(和)

13)坂本冬美

和歌山県出身。OL時代にNHK「勝ち抜き歌謡天国」で注目を集め、猪俣公章氏に師事して1987年にデビュー、若手演歌歌手として脚光を浴びる。このアルバムでは独特の小ぶしを利かせてマザー・グースに挑戦した。(和)

14)中山千夏

舞台「がめつい奴」の名子役として有名になって以来、女優、歌手として活躍。その後、市民運動に参加。参議院議員も務めた。著書も多数あり、現在は著述の仕事が多いが、ときどき声優、ときどき歌手を楽しむ。(和)

15)小坂一也

1952年、ワゴン・マスターズのシンガーとしてデビュー。人気沸騰して日本にカントリー・ブームを起こした一人となる。その後、徐々に映画俳優へと移行したが、歌手として年一回のコンサートはずっと続けている。(和)

16)時任三郎

1980年、ミュージカル「ヘアー」の舞台を皮切りに、TV、映画、レコード、CFで大活躍。JRAのCFは三人の俳優が共演しているが、三人は私生活でも仲がよく、このアルバムにも三人揃って参加を快諾してくれた。(和)

17)斎藤晴彦

青俳、発見の会を経て、演劇センター68/69黒色テント創立に参加、現在黒テント代表。ミュージカル俳優でもあり、黒テント以外の舞台出演も多数。趣味のクラシック音楽を生かした冗談歌曲のファンも多い。(和)

18)イッセー尾形

1975年から自作自演の演劇活動を開始。1981年TV「お笑いスター誕生」で金賞獲得。さまざまなタイプの日本の小市民を身体でスケッチする一人芸で唯一無二の存在だ。このアルバムでも一人のおっさんを歌で表現。(和)

19)清水ミチコ

ケーキ屋さんからラジオの構成作家、作家からタレントへと転身。声帯模写、パロディ、顔真似など、独自の境地を拓く。コンサートや雑誌の連載、映画出演も。このアルバムには笑いをおさえた歌唱で参加した。(和)

20)笈田敏夫

1925年ベルリン生れ。日本ジャズ界の大御所。その昔「嵐を呼ぶ男」で裕次郎のライバルドラマー役を好演、以後ミュージカル出演も数多く。95年の芸能生活50年記念リサイタルの舞台には女性ヴォーカル連が花と咲き乱れた。(櫻)

21)天地総子

童謡・ポップス・CMソング・「連想ゲーム」女性軍キャプテン・「オバケのQ太郎」の声。そのほかタップも踏めるしオサケも飲めるし芸能の綜合商社みたいな人。日中文化交流にも尽力昨今は講演活動に多忙元気印5ツ星。(櫻)

22)田中朗

口をへの字のあの談志師匠が「そんじょそこらの芸人には及びもつかないイキな芸。ワカル人しかワカラナイその道の大家」と舌讃。その道とはどうやら巴里に通じている様だがそれを簡単に「シャンソン」と言っちまっていいのか。(櫻)

23)小室等

多摩美術大学彫刻科を卒業したが彫刻家にはならず、高校時代からなじんでいたギターと歌を武器に、グループ「六文銭」を結成。コンサート活動を続けている。シンガー・ソングライターだが今回は歌だけで参加した。(和)

24)石嶺聡子

沖縄県出身。父の影響で歌が好きになり、県内のイベントに多数出場して、1994年上京。TV「ブロードキャスター」のエンディングテーマを歌ってデビューした注目株。95年には映画「ひめゆりの塔」主題歌「花」を歌った。(和)

25)藤本房子

1970年ごろ「ウッドペッカーズ」のメンバーとして歌い始める。やがて「オレンジ50」とか「カルビーのポテトチップス」とか独特のカマトトヴォイスでCMの超売れっ子に。現在は♂2+♀2の「Gorilla」を結成、ライブ活動中。(櫻)

26)木村充揮

1970年「憂歌団」結成、「おそうじオバちゃん」でデビュー。現在までに21枚のアルバムをリリース。ソロ歌手としても94年にアルバム「ポー」95年に「you tone」を発表。天使のダミ声を武器にジャンルを問わずええ歌求めて活躍中。(櫻)

27)中島啓江

藤原歌劇団のオペラ歌手としてスタート、87年「アイ・ガット・マーマン」で大評判。大物ミュージカル女優の地位をデンと築く。超のつく声量と音域と元気の持主だが表現の細やかさコトバの美しさ聴きとり易さは天下一品。(櫻)

28)岩崎宏美

1975年「二重唱」でデビュー。「ロマンス」「思秋期」とヒットを続け「聖母たちのララバイ」はミリオンセラー。「レ・ミゼラブル」などミュージカルでも活躍。それなりの人生経験が生来の淡麗リリカルヴォイスに不思議な魅力をつけ加えて今。(櫻)

29)黒柳徹子

東京音楽大学声楽科を卒業、NHK放送劇団に入る。日本のTV女優第一号。トーク番組「徹子の部屋」を続けつつ、女優として舞台に立ち、ユニセフ親善大使としての旅もする。「窓ぎわのトットちゃん」ほか著書も多数。(和)

30)島田歌穂

「レ・ミゼラブル」以後、日本を代表するミュージカル女優の1人として注目されているが、ストレートドラマもライヴハウスのジャズ・ヴォーカルもこなす。今回は夫君のピアニスト島健氏と一緒に参加してくれた。(和)

31)近田春夫

3歳からピアノを弾き、慶大在学中「anan」創刊に携わる。キーボード奏者歌手作曲DJ音楽評論と8メン6ピ88年近田春夫&ビブラストーン結成日本ヒップポップの火付け役。常に時代先取りし過ぎの真正アーティスト。(櫻)

32)大貫妙子

中学時代からアマチュア音楽活動を始め、1973年、シュガーベイブを結成。76年以降はソロ活動。アルバム制作、コンサートの傍ら、南極、アフリカなどを旅して紀行文を書く。レコーディングには愛用のマイクを持参。(和)

33)小松政夫

生れついての芝居大好き博多ッ子。植木等の付き人ふり出しに芸能界入り「シャボン玉ホリデー」でデビュー。淀長さんのモノマネ数々の当りギャグで人気沸騰。次第に芸域を広め、TV映画舞台と引っぱりダコの個性派俳優。(櫻)

34)岡村喬生

掛け値なし日本最低のバス歌手。早稲田政経新聞学科から世界的オペラ歌手へ。日本歌曲の紹介にも熱心。軽妙なタッチのエッセイなど活動は幅広く今回の「雨」のラストでは地下8階まで降りてイビキをかくハナレワザ。(櫻)

35)鳳蘭

1964年初舞台、70年星組のトップに立ち、79年に退団した宝塚歌劇の大スタア。「風と共に去りぬ」「ベルサイユのばら」などでファンを魅了。退団後は数々のミュージカルの舞台でますます大輪の花。愛称ツレちゃん。(和)

36)谷啓

高校時代からトロンボーン修業。シャープス&フラッツ、フランキー堺とシティ・スリッカーズを経て1956年クレージーキャッツに参加。喜劇人として活躍、ジャズマンとしての人気も高い。舞台、映画、TV作品数多し。(和)

37)井上陽水

シンガー・ソングライターとしてコンスタントにヒット作を送り出している。作詞だけ、作曲だけの作品もあるが、今回のように歌だけのレコーディングは、アンドレ・カンドレと名乗っていたデビュー時代以来である。(和)

38)スリー・グレイセス

今は亡き小島正雄というダンディなジャズ小父さんにキビシク育てられバツグンの英語で1960年代人気実力NO.1の女声コーラス。「山のロザリア」はミリオンセラー。全員結婚育児を終え、90年リバイバル。益々元気に活躍中。(櫻)

39)タイムファイブ

同志社大学軽音楽部の仲間5人のコーラスグループで、1968年にプロとしてデビュー。1993年には結成25周年を記念してミュージカル「ラジオの時代」を上演した。このアルバムには得意のア・カペラで参加している。(和)

40)知久寿焼

1984年に誕生したグループ「たま」のメンバーで、作詞・作曲、ギターとヴォーカルをこなす。「たま」の活動の傍ら、さまざまなミュージシャンとのセッションも積極的にする。このアルバムにはソロで参加してくれた。(和)

41)大竹しのぶ

1974年「青春の門」で映画デビュー、若き名女優として注目された。「事件」「麻雀放浪記」などの映画出演ほか、「奇蹟の人」「贋作・罪と罰」などの舞台を踏む。コンサートやアルバム制作など、歌の仕事もある。(和)

42)ジミー時田

青山学院高等部在学中からプロとして歌っていた日本カントリーウェスタンの草分け。57年に結成したバンドがやがて「マウンテンプレイボーイズ」となって一世風靡。ギター抱えた「南部訛り」のその歌は何たって伊達の極致。(櫻)

43)野坂昭如

コント作家、コラムニストを経て「エロ事師たち」で文壇デビュー。68年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞受賞。歌手として櫻井順作詞作曲「黒の舟唄」ほかの持歌あり。今回も座付作曲家との縁で駆けつけた。(和)

44)C.W.ニコル

長野県黒姫に暮らす作家。初来日は1962年、1978年に移住、1995年に日本に帰化した。地球を愛するナチュラリスト。そして酒豪。このアルバムにはイギリス人を食う巨人の歌で参加。本人は南ウエールズ生まれである。(和)

45)辛島美登里

鹿児島生まれ、国立奈良女子大卒業。ソングライターとして何人かのシンガーに楽曲を提供した後、1989年シンガーとしてデビュー。紳士に言い寄られる娘さん役で、このアルバム唯一のデュエット曲を飾ってくれた。(和)

45)露木茂

娘さんに言い寄る紳士の役を歌で好演してくれたのがこの人。フジテレビジョン編成局専任局長、と固く言うより、フジテレビの顔としてとっくにお馴染み。早稲田大学時代にハワイアン・バンドの一員であった音楽好き。(和)

46)忌野清志郎

1966年、RCサクセションを結成。高校3年でデビューし、ロックをめざす若者の憧れの存在となる。その後、HIS、2・3'Sを作り、現在はソロ活動を続ける。このアルバムには長男(6歳)、長女(3歳)と一緒に参加した。(和)

47)こうの・おさむ

創業百七十年の綜合インテリア(株)高野の当主。名取裕子後援会長NHK音楽番組司会者タンゴバンドのヴァイオリン奏者と多芸多才。94年自ら還暦を祝いオーチャードホールを満席にしてフルオーケストラバックにその美声を披露。(櫻)

48)雪村いづみ

「想い出のワルツ」でデビュー以来、第一線を走り続ける。ひばり、チエミと共に三人娘の一人であり、映画女優としても活躍。第一回東宝ミュージカル以来のミュージカル・スタアでもある。孫がいるとは思えぬ若さ。(和)

49)巻上公一

「ヒカシュー」のリーダーに始まり、トゥヴァ共和国公認ホーメイ協会員、操体法インストラクター超歌唱家俳優演出家プロデューサーと肩書きのキメようがない。要するにやりたいこと全部やる人。今は扇片手に中国武術修練中の身。(櫻)

50)松金よね子

マツカネヨネコとネの韻踏んだ稀有の女優。テアトルエコー経由東京乾電池行の演劇コースに乗って1981年紀伊国屋演劇賞受賞。CX「笑っていいとも」で全国区スターに。キヨシロー追っかけを自称するパンチロック派。(櫻)

51)デーモン小暮閣下

悪魔集団聖飢魔IIを主宰。悪魔教教祖を名乗り、コンサートでもCFでも人前に現れる時は悪魔の姿のみ。このアルバムには悪魔がやっつけられる歌で参加し、度量の広さを見せた。相撲評論家としても知る人ぞ知る。(和)

52)水前寺清子

1964年、「涙を抱いた渡り鳥」のデビュー以来、人生の応援歌を歌い、チータの愛称で親しまれている演歌歌手。ポップスの歌唱も得意で、江利チエミ愛唱曲のCDもある。このアルバムにも喜んで参加してくれました。(和)

53)デューク・エイセス

1995年、結成40周年を迎えたコーラスグループ。黒人霊歌から出発してアメリカン・ポップス、ジャズ、映画主題歌、日本の歌曲、シャンソン、カンツォーネとジャンルを越えて歌いこなし、持歌は1500曲以上になった。(和)

54)小椋佳

東大法学部を卒業、銀行に就職。同時にシンガー・ソングライターとして売り出し、ヒット曲多数。二足のワラジを23年間続け、現在は音楽一筋に。ほかの人の詞曲を歌ったのはデビュー盤「初恋地獄篇」以来である。(和)

55)熊倉一雄

もはや万人のアタマに刷りこまれてしまったヒチコックの声。特に音楽がらみの芝居となればそのワザはほとんど人間国宝。強烈なデフォルメの底にある正確な歌唱力は斯界ダントツ。そして勿論劇団テアトルエコーのヌシ。(櫻)

56)中井貴一

1981年、大学時代に「連合艦隊」で映画デビュー。以後、映画、舞台、TVで活躍。歌手としてアルバムも少なくない。佐田啓二を父に持つサラブレッド二枚目だが、このアルバムではユーモラスな一面も披露している。(和)

57)由紀さおり・安田祥子

かつて二人は童謡名歌手。姉はアカデミックに芸大経由コンサートシンガーの道へ妹はCMソングから「夜明けのスキャット」経由ポピュラーの道へ。そしてある日二人はまた一緒に歩き始める。あゝこの道は遠くはてしない道。(櫻)

58)近藤房之助

中学時代にブルースにのめりこんだ本格的ブルース・シンガー。ギター1本で東京、ニューヨーク、ロンドンをまたにかける。アジアへの旅も多い。「踊るポンポコリン」の大ヒットも記憶に新しいところである。(和)

59)真田広之

5歳で映画に初出演。18歳で改めてデビューした。映画では忍者も風采の上がらぬサラリーマンもこなし、舞台では花に食われる花屋の店員からハムレットまでこなす。日本舞踊の名取でもあり、音楽活動も盛ん。(和)

CD初出時点(1995)の略歴です。 (和):和田誠記 (櫻):櫻井順記