音楽で物語を紡ぐことの出来るひとは、実はそう多くは無い。
技巧が優れているとか、親しみやすいとかいう価値観、
それだけで音楽を語るならば卓越した演奏家で世間はあふれかえるのだが、
それだけでは無いことを聴き手はみんな知っている。
モーツァルトもベートーベンも即興演奏の神童だった事を思い出そう。
耳で聞いて感じとったことを
自分の楽器で表現することが出来るひとだったのだ。
そのことが物語を紡ぐための大地であるならば、
モンゴルの大地、地平線まで続く草原は
ミーガさんに全てを与えたにちがいない。
何億人も地上に居るであろうギタリストの中にも、
ミーガさんのように音に音で答えて会話出来るひとと、
そうではない人達が居る。
独特の条件のある琴という楽器で、
しかも爪を使わず指で奏でるモンゴル琴を操る美女が物語を紡ぐ。
その物語は草原の風のように自由に行き先を選び取りながら、
しかも旅立った原点を失うことが無い。
ミーガさんのもとには、
これから数多くの名曲が集まってくることだろう。
それらの曲達は
ミーガさんによって語られることを願っているのだから。
01) そして光がわたしをつつむ (井上 鑑・曲)
Namaig olgiidson tsatsrag by Akira Inoue
02) 陽炎が語るもの (ミーガ・曲)
Naran eejiin tolidoon by Choijav Myagmarsuren
03) 流砂の国の子どもたち (ミーガ・曲)
Ursgal by Choijav Myagmarsuren
04) チランジア-草の舞の主題による
(石川 潤/井上 鑑・曲)
Tillandsia by Jun Ishikawa/Akira Inoue
05) 心のともしび (オトゴンフー・ソロンゴ・曲)
Setgeliin gerel by Otgonkhuu Solongo
06) 千年の目ざめ (ミーガ・曲)
Ogtorguin zuud by Choijav Myagmarsuren
07) Water Lillly Song (井上 鑑・曲)
Water Lillly Song by Akira Inoue
08) Bodol (想い) (アヨーシ・バトエルデネ・曲)
Bodol by Ayush Bat-Erdene
ミーガ(モンゴル琴)
井上 鑑(プロデュース、キイボード、ピアノ)
4,6 w/山木秀夫 Hideo Yamaki (Dr., Per. )
3,4 w/山本拓夫 Takuo Yamamoto (Woodwind)
8 ミーガ(モンゴル琴)& 姜小青(中国古琴)
Miiga (Yatga) & Jiang Xiao-Qing(Gu Zheng)
DCJA-41004K 2019年12月発売
2,500円+税(POS 4560280410488)
ミーガ Miiga(チョイジャブ ミャグマルスレンChoijav Myagmarsuren)
モンゴル・ウランバートル出身。9歳からモンゴル琴(ヤタガ)を始め、モンゴルで著名な琴奏者マグナイスレン及びツォルモン氏に師事。1992年、モンゴル国立音楽舞踊カレッジ・民族音楽学部に入学し、琴を専攻。1996年、モンゴル国立馬頭琴交響楽団に入団。世界各地でコンサートを行うほか、映画、ドラマ音楽の制作等にも携わる。
2000年、来日。松戸国際学院日本語学校留学。02年、東京商科学院専門学校入学。
2004年、日本での音楽活動を開始。馬頭琴奏者バトエルデネとの全国ツアーに参加。05年、作曲家遠藤実記念コンサートに参加。10年、NHK正月のラジオ番組にて三味線奏者の上妻宏光と共演。11 年、モンゴル国民芸術家・国家賞受賞作曲家、ジャンツァンノロブ(モンゴルのメロディ)のコンサート出演。12年6月、二胡奏者ムンフツェツェグと共演の『絆』CDリリース。
2014年よりアサル国際馬頭琴アンサンブルの琴奏者として活動。15年5月、モンゴル国より文化功労者章受章。15年よりモンゴル民族楽器グループ『イフタタラガ』の琴奏者として活動。6月、仙台、東北地方の震災復興支援コンサートに参加。16年、『イフタタラガ』CDリリース。サントリーホールで記念コンサート。その後、全国ツアー。6 月、中国箏奏者・姜小青 (ジャン・シャオチン)、台湾箏奏者・徐惠綺(シュイ・ホイチー)とのコンサート開催。
2017年9月、ソロンゴLive(六本木・クラップス)に参加、11 月、長野県佐久平交流センターでの日本・モンゴル外交関係樹立45周年記念コンサートに出演。ソロンゴLive(18年2月/荻窪・ルースター、 18年10月/代官山・晴れたら空に豆まいて)に参加。、19年5月、姜小青とデュオ・コンサート(大田区矢口・延命寺)。
《モンゴル琴―ヤタガについて》
モンゴル琴は2000年前から使われており、歴史的には32種類の琴があるとされているが、現在は5弦、13弦、18弦、21弦の琴が使用される。ステージではもっぱら21弦の琴を使用。モンゴル琴は琴爪(ことづめ)をつけずに、指で直接弦を弾いて音を出すのが特徴。調弦は半音を含まない明るい調子の五音音階が基本であり、21弦ではD~Dの4オクターブの音域をもつ。西洋式五線譜で演奏する。
http://www.solongo-music.com/index.html
井上 鑑 作詞・作曲・編曲家・キーボード奏者
日本弦楽界の先駆的チェリスト・井上頼豊の長男として東京に生まれる。
桐朋学園大学作曲科で三善晃氏に師事。在学中より、作編曲家・キーボード奏者として活動を始める。
80年、スーパーバンド「パラシュート」に参加、3枚のアルバムを発表。
81年、Single『GRAVITATIONS』でソロアーティストデビュー、同年、寺尾聰『ルビーの指環』で日本レコード大賞編曲賞を受賞。アレンジャーの新しいあり方を提示する存在となる。
大瀧詠一・福山雅治・佐野元春・吉田兄弟・本田美奈子等多数のプロジェクト、ヒット作品に参加。
ロンドンとの2拠点化を進め、イギリスのミュージシャン、エンジニアとの共作を重ねている。
ユニット「井山大今」「DSD trio」などでも作品発表やライブを継続し。11年夏、初の書き下ろし文化論「僕の音、僕の庭」を筑摩書房より出版。
CM音楽の話題作も多数、TVドラマのサウンドトラックも手がけている。
ソロリサイタルシリーズ「僕の音」「独創會」、等クリエイティブな表現活動も多彩。
不朽の名曲「鳥の歌」をテーマにした「連歌・鳥の歌」プロジェクト主宰,16年にはスペイン(バルセロナ)、ウクライナ(キエフ)でのツアーを成功させた。
17年秋、通算14枚目のソロアルバム「OSTINATO」(Tchad Blakeミックス)と、作・編曲集「Seeing」「Believing」(各2枚組・全64曲収録)を同時発売。
http://www.akira-inoue.com/
姜小青 Jiang Xiaoqing (ジャン・シャオチン)
北京出身。15歳で中央音楽学院(大学)に入学。在学中に北京市優秀芸術家の称号を得る。古箏五大流派の伝統演奏を習得。
来日後、坂本龍一氏のアカデミー賞作曲賞受賞作品『ラスト・エンペラー』のサウンドトラックに参加、同氏の国内及びアメリカコンサートツアーに参加し、高い評価を得る。 日本各地及び海外で多くの重要なコンサートに招かれて各国の著名な演奏家と共演、いずこにおいても絶賛される。
自らの音楽性を表現するため2002年に「ユニット悠風」を結成。 1990年~サントリー・ウーロン茶のCMの訳詞・歌を担当。
第16回「JAL萬福寺音舞台」、イタリアの 「カターニア国際音楽祭」で城之内ミサ作曲「幻華~古筝のための協奏曲」のソリストを務める。
2015年第87回アカデミー賞ノミネート作品、 ジブリ映画『かぐや姫の物語』監督:高畑勲、音楽:久石譲、古筝のソロを担当。
http://jiang-xiaoqing.xii.jp/